「太陽の必要性とその相互関係」

 ぺらり

"であるからして太陽は必要なのです。"

 ぺらり

"その双方は互いに支えあい、"

 ぺらり

"結論からして言えば、太陽無くして人類は"

 ぺらり


その次のページは破られていた。

その隣に並ぶ本を取る。


"太陽の代わりに     "

その本の題字のその先は黒ススによって解読不可能となっている。

 ぺらり

中身はほとんど破られていた。







この世界の人々の知識は偏っている。

太陽が無くては人は生きていられない。
日光の欠如により、病気になるそうだ。
詳しい事は専門家では無いので分からない。

それがどうだ。
この世界で奇病などが流行ったという噂
(教養の足りていない一般人にとって日光の欠如による病気は奇病であろう)
を聞いた事がない。

この世界の人々はありもしない探し人などどいう救いを求めている。
決して救わない探し人の語りなどを伝えている。
信じている。

そう、根本的にこの世界の人々には教養が足りて無いのだ。
倫理的なものでなく、宗教的なものでなく、科学的なものが必要だ。
太陽は恒星で自ら光を発するが、月は惑星で自ら光を発しない事を知らない。
月も自らで光を発する星だと思っているのだ。
太陽が無くなった今、月という惑星が光を放つ事は無い。

なのに、未だ月は夜である時間となると光を放っている。


さて、これはどういう事なのだろうか。


予想によると、太陽の軌道がなんらかの影響で代わってしまったか、
太陽に取って代わる恒星が新たに、かつこの星からは見えないような軌道上に発生したかである、
と影に存在する研究所では言っていた。



真相はどうであれ、
そんな状態にある太陽をこんなちっぽけな人間が見つけようというのは
科学的に無理な事なんだ。



探し人は探せない。

救えない。







「うきゅぅぅ?」

「あぁ、ごめんね。ピエラ。
 何でもないよ。」

「きゅっ」

「さて、じゃあ行こうか。」




世界は偏り、
真実は語らない。













絶対理論。

日光欠如による病気、あってるかは知りません(何)
設定的な文明レベルは産業革命が起こる前くらい。