雪が降った、

そして、


消えた。





「ピエラ。」


白い粉雪をふりまきながら、ピエラが振り返った。


「科学的にあり得ない事を、僕らはしようとしてるよね。」



そう問うと、彼女は愛らしく首を傾けた。

「…ピエラには、関係のない事だもんね。
 巻き込んでるんだよね。僕は…君を…」

そう暗めに言うと、彼女は首につけた鈴を鳴らしながらこちらへと近寄る。
そして、感高い、愛らしい声で鳴きながら僕の首に巻き付いてくる。


「寒い?ピエラ。」





分かっている事だ。



 彼女は僕を責めない。


それを今更確認するのは、
只の僕の自己満足だと言っていいだろう。



分かっている事なんだ。


だから、






「おいで、ピエラ。」


マフラーを軽くほどいて、ダッフルの襟元を少し開ける。
そして手招きをすると、彼女は定位置にすっぽりと入る。


「あったかいかい?」


そう問うと、鈴の音を鳴らしながら愛らしい声で応える。





何もしないで、こうしていたい


変わらなければいけないのがあるのと同様に、


変わらなくてもいいものがあると、


変わってはいけないものもあると、











対する思い。

少年が小動物に恋してる話ではありません(なんて事を…!)
変わるもの。変わらないもの。
変わっていいもの。変わってはいけないもの。
主題もどき。